手提猫のごろごろごころ

手提猫の感想・雑想・備忘録

電脳コイル ホントのこと?

生活テリトリーは年を追うごとに拡がるけども、小学生時分は大体校区と重なるエリアから外は少々違和感があったのは確か。
特に転校生たるヤサコにとっては駅向こうは異世界なのかも。

そこで感じたデジャビュー。
それをフックに次第に記憶の糸がつながっていく過去。

古い空間が次々消されていく中、手がかりは少なくなる一方。

電脳空間に限らず、現実世界でも昔の風景をどんなに追い求めても現在にはもうないんだし。その人の記憶にしかないわけで。 それは間違いなく現実だったけども、今はないから現実ではない、とは言えないわけで…。うむむ。

ヤサコはイマーゴの能力があることを自覚。主人公らしくなってきました(^^;)(ヤサコより京子が明確に古い空間を見つける能力を示していたけど、京子もこれから重要なファクターとなりえるのでしょうか)。そして謎の核心たるカンナ=イマーゴの子との直接的な関係が提示されました。興味引かせるなぁ…。

駅向こうで出会った少年タケルも、猫目がハラケンに忠告したことをカタチを変えて伝える。反復されるとグイッと関心をひかれますね。4年前。。。メガばぁとおばちゃんも当然関係している事件なんでしょうが…。

そして、金沢時代の友人?マユミとの確執(があったとしか思えないよね?あの表情)、優しい子だけではないヤサコの雰囲気が魅力を持たせます。 …マユミの引越しの報を本人からではなく、担任だった先生から知らされる、というのも意味ありげ。

幼ヤサコと迷子のイリーガルとの邂逅(千とカオナシの雰囲気を感じておりました)。
風景がハラケンが怪談時に語った夕方のような光線…「逢魔が時」、というコトバがぴったり。
方向音痴が故にその彷徨ったルートが偶然にも古い空間へのアクセスキーになっていたのではないかなぁ〜と思ったり。
電脳の体と現実の体のズレ、さまよえる魂、古い空間、様々な謎タームが再帰・重奏し、物語は収斂しそうでなかなかしないもどかしさ。
たまらんですな。

まだまだ謎は深まるばかりでございます。