手提猫のごろごろごころ

手提猫の感想・雑想・備忘録

ユンカース・カム・ヒア NHK-BS

ユンカース・カム・ヒア を見た。
最近通しでジッと座って家で映画を見たことがないからなー、千年女優といい、ジッと座ったり寝っ転がったりしながら観てられた。ちょっと贅沢な時間かも、と。寝る時間遅くなるけどねー。今、私的ホットなふたご姫の総監督・佐藤監督の作品ゆえ、なんてタイムリーな放送などと思いながら視聴。
しょっぱなからユンカースが人語を話しているのが面白い。普通なら、(ありえない、と思われる)人語を話すユンカースとのファーストコンタクトを描きそうなものだけど(そっちの方が劇的だし)、それはなく淡々と当然のごとく描かれる。
あと主人公がいわゆる上流家庭にあること。得てして観る者の共感を得る為には中流家庭を舞台にするし、特色を出すには経済的には少ししんどい家庭を描くものだけども、学校では普通の振舞いのヒロミちゃんも大きい家に住み、お手伝いさんがいて、フランス料理店では上品に振舞う、ステロタイプでは「オホホ」系タカビー少女にお約束の環境ではあるけれども、この作品ではそうではない。偶然環境がそうなだけであって、そこにある問題はどの家庭でも同じってことなんだろう。

三つの奇跡を呼び起こして言葉を失ったユンカース。でもエピローグでヒロミちゃん曰く「本当に言葉を持っていたのかな?」(←内容的にこんな感じ) 大人にあこがれて、一歩大人に近づいたことを印象付ける言葉なのでした。(ユンカースの声:魔女宅のジジっぽくもあり、子どもの時にだけ見えるトトロ的なものかも)

「奇跡」ってのはね、「魔法」を使うことなんだよ(アルスにおける魔法定義の可逆的解釈)。なーんて現実的なのに不思議な印象の作品でありました。
どれみシリーズ最終回「私ぜんぜんダメなの、一人にしないで」的独白は ひょっとして当作品へのオマージュなのかな?と思ったり。

いや、傑作。
何年かしたらブリーティアもやるかな?BS